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にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和4年2月号(No.27)
【令和4年 年金制度の法改正②】
先月号に続きまして、今回は令和4年4月からスタートする年金制度の法改正②「在職老齢年金制度の計算方法の見直し」についてお伝えします。現在の在職老齢年金制度のルールでは勤務者(厚生年金被保険者)でいながら老齢厚生年金を受給する場合、自身の老齢厚生年金額(報酬比例部分)や総報酬月額相当額(毎月の標準報酬月額や年金支払い月における過去1年間に支払われた賞与額)により老齢厚生年金が自動計算されて一部停止や全額停止となる仕組みがあり、65歳前に受給する年金と65歳以降に受給する年金でそれぞれ計算式が異なります。65歳前の老齢厚生年金を受給されている方のほうが65歳から受給される方よりも計算式のルールが厳しく、せっかく受給権が発生した老齢厚生年金が現状の給与額や賞与額によって全額停止される方が発生しましたが、令和4年4月からは計算式が65歳からの計算式に統一されることにより全額停止になる方は間違いなく減るかたちになります。仮に65歳前に受給されている老齢厚生年金額が108万円(基本月額9万円)の方で標準報酬月額が38万円の厚生年金被保険者の場合、今までの計算式では(9万円+38万円-28万円)×1/2×12ヵ月で年間停止額が114万円となり、年金額108万円を上回った結果、老齢厚生年金が全額停止となっていた方も令和4年4月からの計算式では65歳以降の方と同じ計算式により(9万円+38万円-47万円)×1/2×12ヵ月で年間停止額が0円となり全額支給されることになります。今までは年金停止を防ぐために会社との話し合いで給与を下げることを検討したり、厚生年金被保険者資格を喪失する目的で労働条件を下げたり、場合によっては退職することを検討される方もいたかもしれませんが、労働力人口減少や働き手不足を鑑みて、雇用継続者を増やす目的から今回年金制度の大きな法改正が行われたかと思います。この法改正を機会に自身の老齢厚生年金の受給権発生の年齢が何歳になるのか?(65歳前から受給できる特別支給老齢厚生年金は生年月日により異なります)そして年金にプラスされる給与額を合わせると自身の収入がいくらになるのかを含め、今後のライフプランをシミュレーションすることも検討されてはいかがでしょうか?先月号で取り上げた年金制度の法改正①のとおり65歳前で繰上げ請求するか65歳からの本来支給の年金を繰下げ請求するかなど、年金は様々な請求方法が認められているのと同時に65歳前の老齢厚生年金を受給されている方で仕事をしながら雇用保険の「高年齢雇用継続給付金」が支給される場合の年金額の一部停止ルールや65歳前の老齢厚生年金を受給されている方が退職したあと雇用保険の「基本手当」を受給する場合の年金額の全額停止ルールなどさらに複雑な制度となっております。自身の年金の受け取り方や今後の勤務状況の整理ができれば、一度ご予約のうえ年金事務所で年金見込み額を含めた相談を受けられることも方法かもしれません。
【しつこい営業さん】
今から17年前に家を購入しましたが、引っ越しと同時に電話番号が変更になり、その時からしばらくの間「○○さんですか?」と同一人物を指名する間違い電話が何度もあり、最初は丁寧に対応しましたが、何年か過ぎても同じ電話がかかってきたので、さすがに呆れながら「二度とかけてこないでください!」と強い口調で伝えることがありました。前に電話番号をお持ちであった方はお金に余裕があった方のようで不動産や金融の投資話などお金にまつわる電話がしつこいぐらいにかかってきたので正直困りました。中には同じ会社と思われる大阪のマンション会社から複数回かかってくることがあり、情報が連携されていないことにうんざりすることも多々ありましたが、最近ではやっと間違い電話がかかってくることもほとんど無くなり安心しています。
間違い電話ではなくても、昨年は車検予約や車の保険の勧誘電話が何度もかかってきて、断ったにも関わらず、別の日にオペレーターの方から「車の車検予約はもう決められました?」や別の営業社員の方から「車の車検予約どうしますか?」とサラッと電話がかかってきて「この間ちゃんと断りましたよ!」と強い口調で言わざるを得ないこともありました。こちらについても会社内で情報連携が取れていれば問題なかったかもしれませんが、結局はしつこい勧誘や営業によりお客さんを怒らせてしまう結果につながる事例であったと感じます。
当然、商品を販売・PRするために営業活動は必要です。私が職務経験した求人広告の営業も同じです。向こう側から連絡が来ることもありますが、やはり営業活動をしなければ数字の目標には届きません。そのために何度も連絡や訪問を繰り返すことはありましたが、タイミングや状況を察知しないと相手さんを怒らせてしまう可能性もあり、私も同じようにしつこい営業活動をしていたかもしれません。単に次の掲載日はいつであるとか広告の枠の値段がいくらであるかなど「ぜひおたくで広告を出したいなあ」と思う商品の魅力さをPRできなかったことを今更ですが反省しなければなりません。
今となれば商品の売り込み方も違う方法でアプローチできたのではないかと思います。「なぜ今のタイミングで求人広告を出すべきなのか?」「ほかの会社が求人広告を出すときの給与額の相場や福利厚生が何であるか?」そして「求人広告掲載時に反応が良かったキャッチコピーがどのような内容であったか?」や「自社の求人広告を最も利用する業種はどこか?」など営業アイテムの情報提供がたくさん出来ていれば、しつこい営業活動がなくても広告の掲載は出来たかもしれません。今までは人海戦術のように「千の種をまいて三つの花が咲けば良い」という考え方も、働き手不足の今はいかに効率よく自社の商品をアプローチできるかが労働生産性を向上させるための重要テーマになるのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました